「ドイツの保育園、幼稚園の様子を見てみたい。」
「ドイツで正規の保育士として働いてみたい。」
今回はそんな方へ向けて、わたしが調べたり、実際に経験したことをシェアしたいと思います。
わたし自身、日本で働いていた頃、「ドイツの保育園で働くためにはどのような方法があるのだろう?」と思い、インターネットで自力で情報収集をしていましたが、なかなかはっきりとした情報と出会えずにいました。
過去のわたしと同じように、ドイツの保育園での就職事情について情報収集している方のお役に立てればうれしいです。
逆に「こんな方法もあるよ~」という意見もあれば、教えていただけたら嬉しいです🙇
また、今回は日系保育園・幼稚園への就職の話ではなく、ドイツの現地の保育園・幼稚園への就職という話です。もし(駐在員の方など)日本人が多く住まわれている場所で日系幼稚園があるようでしたら、日本の保育士・幼稚園教諭資格を使って応募できる場合が多いと思いますので、直接ホームページで採用情報を調べてみることをおすすめします。
では、本題✍
まず、ドイツの保育園で働くためには、専門資格を取得して正規で就職する方法と、非正規で働く方法があります。ドイツも日本と同様、保育園・保育士不足であるため、「働きたい」という人には広く門戸を開いています。
ご自身の状況、希望に合わせて、どのような形で働きたいのか、イメージしてもらえたらと思います。
✅ Ausbildung(職業訓練)に通う
✅ 日本の資格をドイツの保育士資格に書き換える(審査を受け、認定してもらう)
2.非正規で働く場合
✅ Praktikum(プラクティクム)という研修制度を利用する
✅ コネを利用する
✅ 有償ボランティア制度を利用する
1.正規の保育士として働く場合
正規で保育士として働くためには、専門資格が必要です。この専門資格には下記の2種類があります。
◎Erzieher/Erzieherin(保育士)
◎Kinderpfleger/Kinderpflegerin(保育アシスタント)
文字の通り、Erzieher の方が裁量権、できる仕事の幅が広いです。
そして、これらの資格を取るには2つの方法があります。
✅ Ausbildung(職業訓練)に通う
これが最も一般的な方法。
Erzieher のAusbildung に関しては、過去に記事を書きました。
基本的には3〜4年通います。ドイツ語の中上級レベル(B2)の証明が入学条件になっている場合も多いので、語学学習も含めるとそれ相応に時間がかかります。
Kinderpfleger のAusbildung は、それよりも応募のハードルが低く、比較的始めやすいです。現在通っている知り合いによると、全部で1年半のコースで、応募時にはドイツ語証明も必要なかったとのこと。
✅ 日本の資格をドイツの保育士資格に書き換える(審査を受け、認定してもらう)
こちらは、日本の保育士資格をドイツの資格として認定してもらう、という方法です。
各州の担当役所に指定された書類を送り、審査してもらいます。
審査の結果、日本で受けた教育と実務経験がErzieher もしくは Kinderpfleger として認められれば、Ausbildung 無しに資格を取得できます。
関連記事も、参考になれば嬉しいです。
2.非正規で働く場合
もし、「正規で働きたいわけではないけれど、ドイツの保育園を見てみたい、経験してみたい」ということであれば、非正規で働く方法もあります。
✅ Praktikum(プラクティクム)という研修制度を利用する
ドイツにはPraktikum(プラクティクム) という研修制度があります。日本のインターンシップ制度をイメージしてもらえたら分かりやすいかと思います。無給または少額の報酬ですが、そこで知識と実務経験を積むことができます。
Erzieher の Ausbildung の応募条件のひとつにも、〇週間のPraktikum を経験していること、と記載されていることが多かったです。
わたしもオペアをしていた頃、近所の保育園でこのPraktikum をしました。人手不足の保育園も多いので、喜んで受け入れてくれる場合が多いかと思います。
✅ コネを利用する
シンプルですが、コネを使って入り込むという方法。
友人のお子さんが通っている保育園であったり、オペア先の子どもの保育園など、知り合いを通して紹介してもらうというパターンです。
✅ 有償ボランティア制度を利用する
ドイツには、FSJ/BFDという社会福祉施設での有償ボランティア制度があります。
外国人でもドイツ人でも、国籍関係なく参加することができます。
正式名称は、Freiwilliges Soziales Jahr / Bundesfreiwilligendienst と言い、政府が資金を出して運営しているボランティア制度です。
まずは、ボランティア先を斡旋している団体に申し込み、介護施設や障碍者施設、保育園や小学校の放課後クラブなどで働きます。
少額ですが毎月報酬が出るのと、斡旋団体が健康保険の保険料も支払ってくれます。
日本ではワーホリやオペアに比べて知名度が低い制度ですが、この制度を利用してドイツに渡航している外国人が多いことに驚きました。
この制度のいいところのひとつは、滞在許可(ビザ)が必要な外国人は、この制度に参加することを理由として滞在許可が出ること。そして、ボランティア活動をしたという経歴は後に履歴書に書くこともできますし、終了時には証明書も出ます。
外国人だけでなく、「高校での勉強を終えて、まだ進路を具体的に決めてない。ボランティア活動をする中で、将来について考える猶予が欲しい。」というドイツの若者も参加しています。
FSJ/BFD 制度を利用して保育園で働く、という方法もあります。
実はわたしもこの制度を利用しました。
以上、簡単ですが、ドイツの保育園で働くための方法についてまとめました。
「資格うんぬんではなく、まずは経験してみたい、見てみたい」ということであれば、近くの保育園に勇気を出して問い合わせてみることをおすすめします。
実際にドイツに来て、「行動しないと何も起こらない」と実感することがたくさん…
今回の記事が参考になればうれしいです。
では、また!