Vol.60【ドイツでの仕事】ドイツでの仕事経験と語学力向上を同時に叶える、FSJ/BFDというボランティア制度①



今回は、FSJ/BFD と呼ばれているドイツのボランティア制度を紹介したいと思います。


「なぜ今回急に、ボランティア活動のはなし?」と思われる方もいるかもですが、わたしもこのプログラムに応募して今の保育園で働き始め、現在、保育士資格書き換えのための研修(Praktikum)をさせてもらっています。


自分が利用してみて、その人の状況によっては非常にいい制度だと思ったこと、そして日本語での情報が少なく、私自身この制度を具体的に知るまでに時間がかかったので記録しておこうと思いました。



FSJ(Freiwilliges Soziales Jahr, 英語では The voluntary social year)とは、16歳から27歳の若者を対象とした社会奉仕プログラムのことです。

参加期間は半年~18か月間の間で選ぶことができ、病院、老人ホーム、障碍者施設、保育園、小学校の放課後クラブなど、希望の職種を選んで応募することができます。
労働時間は週40時間のフルタイム契約です。



一方、BFD(Bundesfreiwilligendienst)とは、年齢の制限はなく、27歳以上の人も参加できるプログラム。職種やプログラムの仕組み自体は、FSJと同じです。
しかしBFDの場合は、週20時間以上であればパートタイムでの参加も可能となっています。




このFSJ/BFDプログラム、もともとは教会での奉仕活動、男性の兵役の代わりの奉仕活動が原型となってできたもの。
今では、ドイツ人にとってはギャップイヤーの人気の過ごし方の一つ、そしてドイツに移民としてやってきた外国人の若者にとってはドイツで進学or就活前の準備期間、としても利用されています。


※ギャップイヤー:高校卒業から大学や職業学校などへの入学までのモラトリアムのこと。
高校を卒業して次のステップに進む前に一度立ち止まる時間を作り、その間に大学では得られない経験(机上では得られない社会経験)をして自分の適性や能力、そして進路について思いを巡らせる期間。(ざっくりとした私の解釈なので、気になる方は調べてみてください🙇)



私の周りのドイツ人でも、現在FSJ/BFDプログラムに参加している若者、若い時に参加したと話す人たちは多くいます。

というのも、FSJプログラム自体が広く周知され浸透していること、ギャップイヤーによる「履歴書の空欄」をFSJをすることで「机上の勉強では得られない社会経験をした期間」としてプラスに埋めることができるからです。
また、 FSJに参加すると、「社会奉仕活動中」という身分証明書が発行され、電車などの公共交通機関が安く利用できるなどの特典もあります。プログラム終了の際には、きちんと修了書も出ます。

さらに、 FSJ/BFD に参加している間は、 公的健康保険の費用も自分で支払う必要がありません。



そして、私を含め多くの外国人も、ドイツで次のステップ(進学や就職など)に進むための準備期間、としてこのプログラムを利用しています。

日本を含めドイツに滞在するためにビザが必要な国の人々は、FSJ/BFDプログラムに参加することで、その期間の滞在許可がもらえます。
そして、実際にドイツ社会の中で働きながら、ドイツの労働文化や言葉を勉強して、Ausbildungや大学進学のための準備をしたり、次のステップを考えたりなどすることができます。



ただし、一点。参加前にきちんと考えなくてはいけないこと。それは、生活費です。


このプログラム期間の収入は、職種によりますが、毎月200~400ユーロ(約25,000~50,000円)程度です。

FSJに参加するドイツ人の若者は実家から通う場合がほとんどとのことですが、外国人の場合はそうはいきません・・(もちろん、ドイツにパートナーやお世話になれる家族がいる場合は違うと思います。)


ドイツは州や地域で状況やルールがだいぶ違うので何とも言えないのですが、私の周りでは、老人ホームや障碍者施設、病院で働く子には家賃手当や寮の斡旋がある場合が多かったです。


家賃手当がない場合は当然、自分で家賃を払わなくてはなりません…。
FSJ/BFD以外の時間に、ミニジョブ(月450ユーロ以下の給料)の範囲でアルバイトをすることもできますが、フルタイムの仕事と掛け持ちとなると体力的にも時間的にもなかなか難しいのも現実だったりします😓


そもそもこれはボランティア活動なので、生計を立てることはできないのですが、一定期間、目的を持って参加するにはとても良いプログラムだと思います。


わたし自身、Ausbildungが始まるまでの数か月、保育園で子どもたちと過ごせたらなぁ、、と思い、このプログラムに参加しました。(27オーバーのアラサーなのでBFDデス。)

ビザに関しては語学学校ビザから、FSJ/BFDのためのビザ、に変更した形です。



プログラムの応募のページに、「自分の国籍」を選ぶボタンがあったのですが、日本の選択肢はなく、「その他の国(Sonstig)」扱いでした。。それくらい日本人の参加者は少ないのかな?と思ったので今回ご紹介でした。


なにかの、誰かの、お役に立てればうれしいです。

では、また!

最近、大豆1キロ買って自宅でこつこつ納豆培養している。
ちょっとこわい・・

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